まず触れておきたいのが、名前のもととなっているハイトウデザインとフルスコアラインです。「JAWS FULL TOEウェッジ」は、トウ側を高くしたヘッド形状となっており、溝はヒールからトウまで、フェース全面に刻まれています。あらゆるアプローチショットに対応する設計であり、なかでもフェースをオープンにして打つ際には大きな威力を発揮してくれます。

フェースを開くアプローチでは、ボールがフェースを斜めに抜けていく状態となるわけですが、ハイトウデザインによって、ボールの抜けていく場所が大きくなり、多少、打点のズレても、しっかりとボールをフェースに長く乗せていくことができます。また、全面に溝があることで、ややトウ側を抜けていったボールでも、充分にスピンが入ってくれます。さらに、この見た目から、フェースを開いて打つアプローチに良いイメージが出やすいという、心理的なプラス要素もあります。
フェースに入れられている溝は、JAWSウェッジやJAWS FORGEDウェッジと同じく、37Vグルーブです。フェース面上の溝のエッジが鋭くなっているため、フルショットはもちろんのこと、ヘッドスピードの遅いショットの際にも、大きなスピンを安定して発生。ボールを止める力が強いだけでなく、距離もコントロールしやすいグルーブです。また、「JAWS FULL TOEウェッジ」は、フェース面のみノーメッキ仕上げにしているところも見逃せません。メッキ加工よりも溝のエッジが効くため、37Vグルーブの効果がより発揮されることになります。

37Vグルーブの溝と溝の間の部分には、JAWSウェッジ同様に、キャロウェイ独自のマイクロフィーチャーも採用されています。数多く入れられた小さな凸部がボールを捉え、37Vグルーブとともに強烈なスピンを生み出します。しかも今回の「JAWS FULL TOEウェッジ」では、マイクロフィーチャーを斜めに搭載。フェースを開いて打つ際、マイクロフィーチャーがターゲットに対してスクエアに近い状態となり、ロブショットなどでも高さプラス、大きなスピンでボールを止めることができるようになっています。
「JAWS FULL TOEウェッジ」は、バックフェースにもアイデアが詰め込まれています。見てすぐに気づくポイントが、上部の特徴的なデザインです。ヒール側には、より薄くされた三角状の部分があり、逆にトウ側には、台形状の盛り上がった部分がつくられています。また、バンス裏側の4つのポートにも注目です。トウ側からヒール側に向かって徐々にポートがより深いものへと変化しており、とくにヒール側の2つは大きく開けられています。

これらも、フェースを開くことを考慮して導入された設計です。先述のように、フェースを開いて打つ際は、ボールがフェースを斜めに抜けていきますが、「JAWS FULL TOEウェッジ」のヘッドは、バックフェースやポートの工夫により、そのボールの抜けていく位置が重くなっています。結果、インパクト時には、打点位置のちょうど後ろに重さがある、スピンの発生しやすい状態がつくられることになります。
冒頭でも触れたように、「JAWS FULL TOEウェッジ」を愛用するキャロウェイ・スタッフプレーヤーは、現在、増加傾向です。例を挙げれば、アメリカではジョン・ラームがロフト58度のモデルを60度に調整して使用を開始していますし、日本では重永亜斗夢プロや西村優菜プロがバッグに入れてツアーを戦っています。重永プロは、「JAWS FULL TOEウェッジ」について、「見た目がシャープになって、イメージが出しやすくなりました。フェース全面に入ったスコアラインも違和感なく使用できます。アマチュアの方にも、すごくオススメです」とコメントしています。

ロフトは、54度から60度まで2度刻みの4種類となっており、発売は9月10日予定です。また、CALLAWAY EXCLUSIVEからはマットブラック仕上げを施した、「JAWS FULL TOEウェッジ マットブラックバージョン」も発売となります。ハイトウデザイン、フルスコアラインなどの設計やロフト設定はすべて同じながら、より引き締まった見た目のモデルとなっており、こちらも要注目です。
