ドライバーの4モデルは、スタンダードのPARADYMドライバー、ツアーモデルのPARADYM ◆◆◆ドライバー、ドローバイアスのPARADYM Xドライバー、超軽量でドローバイアスのPARADYM MAX FASTドライバーとなっています。今回は、すべてのモデルをかなり打ち込むことができました。
まず、構えたときの印象です。PARADYMドライバーの比較対象となる前作は、ROGUE ST MAXドライバーということになりますが、PARADYMドライバーもROGUE ST MAXドライバー同様にキャロウェイらしい丸いヘッド形状です。ただし、トラディショナルな洋ナシ感も若干あるように見え、上級者も含めた、より幅広いプレーヤーに好まれるフォルムと言えそうです。PARADYM ◆◆◆ドライバーは、プロにも対応するモデルということで、ヘッド体積が450㎤とややコンパクトになっており、洋ナシ感は前作の◆◆◆モデルから引き継いでいます。
上記2つのモデルを構えたあとに、PARADYM Xドライバー、PARADYM MAX FASTドライバーを目にすると、ヘッドの違いは明らかです。ストレッチバックされており、前後長が大きいものとなっています。安心感は抜群で、いかにも慣性モーメントが高そうです。ただし、ヘッドの輪郭の丸みがうまく処理されているため、前後長の長さに違和感を覚えるほどではありません。
今回のPARADYMシリーズのドライバーでは、キャロウェイが得意としているフェースカップが採用されており、そのことは構えたときにそのことが伝わるようなデザインにされています。フェース側部分とトライアクシャルカーボンを使用したクラウン部分のカラーが変えられれおり、PARADYM ◆◆◆ドライバー以外の3モデルには、フェース側部分のセンターにシェブロンマークも入れられています。また、PARADYM ◆◆◆ドライバー以外の3モデルでは、フェース面に入れられた模様、線がはっきりと白色で入れられていて、フェース面を認識しやすくなっているのに対し、PARADYM ◆◆◆ドライバーは薄い白となっています。
シャフトを傾けることなく真っすぐ構えたときに、PARADYMドライバー、PARADYM Xドライバー、PARADYM MAX FASTドライバーは、フェース面がストレートに見えます。フックフェースにはなっていません。一方でPARADYM ◆◆◆ドライバーは、ややトウ側が逃げたようなラインとなっています。左に急激に曲がる球を嫌う上級者向けとなっていることが伝わってきます。 4つのドライバーを順に握ってヘッドを浮かせてみると、重量感の違いもしっかりと感じます。PARADYMドライバー、PARADYM Xドライバーは、ヘッド単体でもクラブ全体でも、似たような重みで、それに比べればPARADYM MAX FASTドライバーは断然軽く、PARADYM ◆◆◆ドライバーはヘッド体積が小さいにも関わらず、ヘッドにいちばんの重量感を感じます。やはりパワーのある人向けということなのでしょう。
実際に打ってみると、どのモデルもボールスピードの速さは相変わらずです。キャロウェイのここ数年のドライバー同様、かなりのスピード感です。データ計測をしたわけではないので差までは示せませんが、AIデザインのFLASHフェース、JAILBREAKテクノロジーならではの初速です。
一方で、打感や打音には充分に違いを感じることができました。前作まではインパクトで球が強烈に弾かれる感覚があったのですが、PARADYMシリーズでは、よりフェースに球がくっついて、そこから飛び出していきます。弾き感とフェースに乗っている感覚が、ちょうど良い塩梅です。擬態語で言えば、「ムチっとした打感」「みっちりとした打感」といった表現になるでしょうか。取材班のカメラマンも試打したのですが、もっとも口にしていたのが、打感の良さでした。また、打音もより心地良いものになった感覚があります。2021年EPICが高めの金属音、ROGUE STがやや低めの金属音で、PARADYMシリーズはその中間のほど良い音といった雰囲気です。よりフェースの端のほうまでたわませることを目的として導入されたフェースカップなどの効果なのでしょうか。
弾道は、ターゲットゴルファーに合わせたそれぞれの特徴が、しっかりと結果として出ているように感じました。何も意識することなく同じように打てば、PARADYMドライバーは中高弾道のストレートボール、PARADYM ◆◆◆ドライバーは力強い中弾道でフェードバイアスという特性どおりのストレート~フェード、PARADYM Xドライバーは高弾道のストレート~セミドロー、そしてPARADYM MAX FASTドライバーはストレート~セミドローで、さらに一段階上の高弾道といった感じです。
なかでも感銘を受けたのは、PARADYM XドライバーとPARADYM MAX FASTドライバーでしょうか。どちらも、まさにオートマチックという言葉がぴったりです。とにかく気持ち良く振るだけで、自然とフェースがスクエアに戻ってボールをつかまえてくれて、同じような高さ、球筋のビッグボールを実現してくれます。しかもドローバイアスといっても、左に大きく巻いていくような弾道は、本当に一度もありませんでした。これならば、スコアメイク、コース攻略がとても簡単になりそうな気がしました。
もちろん、だからといってPARADYMドライバーやPARADYM ◆◆◆ドライバーが難しいという認識にもなりませんでした。PARADYM Xドライバー、PARADYM MAX FASTドライバーほどのオートマチック感ではありませんが、PARADYMドライバーは、今回新たに導入された360°シャーシ(下画像/右上)のおかげか、ヘッド後方に搭載された約13.5gのペリメーターウェイト(下画像/右中)がボールを強く押し出してくれていることを感じます。フェースの向いた方向に、常にそのまま真っすぐ出ていくフィーリングと言えば良いでしょうか。ちなみに、すでにPARADYMシリーズを試したプロのなかには、スイングした際、ボディがすべて軽量なカーボンとなっているため、ヘッドの中間部分に何もない感覚があるとフィードバックした人もいるそうです。とても興味深い話です。
またPARADYM ◆◆◆ドライバーでも、ちょっと捕まえていくことを意識したり、少しトウ寄りでヒットしたりした際には、自分でもびっくりするようなストレートドローが出ました。どうにもならないといったことでは、決してありませんし、操作性の高さも感じられます。個人的なことをさらに言えば、筆者はクラブ全体が重いクラブはまだ良いのですが、シャフトは軽くヘッドが重いというクラブには振りにくさを感じるタイプで、試打したPARADYM ◆◆◆ドライバーが、まさにそうでした。シャフトで重量感を好みのものに調整できれば、よりナイスショットの確率を高められそうな可能性を感じました。
最後に、肝心の飛距離性能です。パー5ホールの488ヤードのティーからも4つのモデルで何球か打ってみたので、その結果をお伝えしておくと、多くのボールが残り200ヤードの杭を超え、残り150ヤードの杭に迫るボールもいくつかありました。このホールはわずかに下っていくレイアウトですが、試打したのは、とても寒い日の日暮れ直前。分厚いセーターも着こんだなかでの結果です。筆者にしてみれば、大満足以上の内容でした。
ぜひ、みなさんもPARADYMシリーズを存分にお試しになり、新しさや前作との違いを体感してみてください。
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